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コラム:FROM HOLLYWOOD CAFE - 第346回

2023年12月5日更新

ゴールデングローブ賞を運営するゴールデングローブ協会に所属する、米LA在住のフィルムメイカー/映画ジャーナリストの小西未来氏が、ハリウッドの最新情報をお届けします。


韓国ドラマ「ムービング」視聴から考えた“アメリカの配信サービス事情”

👁 「ムービング」日本ではDisney+で独占配信中
「ムービング」日本ではDisney+で独占配信中

(C) 2023 Disney and its related entities

日本でも話題の韓国ドラマ「ムービング」を家族で視聴することになった。本作はディズニープラスの韓国オリジナル作品で、日本ではディズニープラスの「スター」で配信されているのだが、アメリカではディズニープラスではなく、Hulu(フールー)で配信されている。アメリカのHuluは3分の2をディズニーが保有していて、ファミリー向けのディズニープラスに対して、大人向けのHuluというブランディングとなっている。暴力描写がある「ムービング」は、Huluが適しているとディズニーは判断したのだろう。

Huluに再加入することになって、Huluの月額料金が17ドル99セントに値上がりしていることに驚いた。NetflixとディズニープラスとMaxとApple TV+にも課金しているので、節約のために広告付きプラン(7ドル99セント)を選択。さっそく「ムービング」を見始めた。

👁 「ムービング」日本ではDisney+で独占配信中
「ムービング」日本ではDisney+で独占配信中

(C) 2023 Disney and its related entities

だが、広告が頻繁に挿入されて、物語にのめり込むことができない。ぼく自身は、昔のテレビドラマ視聴ってこんな感じだったよな、とノスタルジーを感じなくもなかったのだが、中断されることに慣れていない現代のお子様たちは憤慨し、CMのたびに騒ぎ立てる。かくして、彼らと自分自身の精神安定のために、スタンダードプランにアップグレードした。

Huluへの再加入をきっかけに、アメリカにおける動画配信の月額料金を確認してみた。Netflixは15ドル49セント、Maxが15ドル99セント、ディズニープラスが13ドル99セント、ピーコックとParamount+が11ドル99セント。Apple TV+が9ドル99セントである(いずれも広告なしのスタンダードプラン)。

ずいぶん値上がりしているが、各社がコンテンツ制作に巨額を投じていることを考慮すれば、これでも抑えているほうだろう。会員数を増やすため、ギリギリのラインを狙っているのだ。

だが、すでに黒字化を達成しているNetflixは強気で、ストライキの真っ只中に、ストライキ終結後に値上げすると発表している。まだ新料金は発表されていないが、たとえ月額20ドルを超えてもすんなり受け入れられるんじゃないかと、ぼくは思っている。アメリカに暮らしている肌感では、みんながNetflixに加入していて、ふたつ目の動画配信枠をライバルたちが争っている印象だ。会員数2億3000万人のNetflixはもはやインフラに近い存在と言えよう。

これはつまり、Netflixで配信される作品のほうが話題になりやすいことを意味する。たとえば、冒頭に挙げたHulu配信の「ムービング」はアメリカの批評家にも好評で、米ローリングストーン誌はマーベルを押しのけて「現在、最高のスーパーヒーロードラマ」と絶賛している。もしNetflixで配信されていたら「イカゲーム」のような社会現象になったかもしれない。


また、以前紹介したApple TV+の「Drops of God 神の雫」にしても「クイーンズ・ギャンビット」のような反響を巻き起こすことができたかもしれない。あいにくいずれも一部の人が知っているだけの存在に留まっている。

ちなみに、Huluの会員数は4800万人、Apple TV+は2500万人程度だという。

ライバルたちも手を拱いているわけではない。会員数1億6000万人のディズニープラスは近いうちにHuluと統合するとみられている。また、米ウォールストリート・ジャーナル紙は、Paramount+とApple TV+がセットプランの交渉をしていると報じている。単独で2つのサービスと契約をするよりお得なプランを提供するようだ。

Netflixのライバルたちが連立を組むのは当然の流れだ。もしかしたら、近いうちに業界が再編成されることになるかもしれない。

筆者紹介

👁 小西未来のコラム

小西未来(こにし・みらい)。1971年生まれ。ゴールデングローブ賞を運営するゴールデングローブ協会に所属する、米LA在住のフィルムメイカー/映画ジャーナリスト。「ガール・クレイジー」(ジェン・バンブリィ著)、「ウォールフラワー」(スティーブン・チョボウスキー著)、「ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたのか」(エド・キャットマル著)などの翻訳を担当。2015年に日本酒ドキュメンタリー「カンパイ!世界が恋する日本酒」を監督、16年7月に日本公開された。ブログ「STOLEN MOMENTS」では、最新のハリウッド映画やお気に入りの海外ドラマ、取材の裏話などを紹介。

Twitter:@miraikonishi

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