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フルメタル・ジャケット

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劇場公開日:1988年3月19日

解説・あらすじ

原作はグスタフ・ハスフォードの処女小説「短期応召兵(ザ・ショート・タイマーズ)」。米海兵隊3092小隊の新兵たちはいじめ、侮辱が横行する環境下、過酷な訓練を強いられる。人を殺すことを教え込まれ、人間性が奪われていった新兵のひとり、パイルはついに精神を病み自殺してしまう。その後、それぞれベトナムへ送り込まれた新兵たちだったが……。戦火のシーンではスローモーション技術を駆使し、兵士の死をリアルに描いている。

1987年製作/116分/アメリカ
原題または英題:Full Metal Jacket
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1988年3月19日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第12回 日本アカデミー賞(1989年)

ノミネート

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映画レビュー

4.0 キューブリック作品の「戦争と狂気」の集大成。

2024年11月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む

◯作品全体
キューブリック監督の長編作品は全部で13作品あるが、そのうち3作が戦争映画だ。初長編作品である『恐怖と欲望』、キューブリックの名を映画界に売り込んだ『突撃』、そしてビッグネームとなった後に作られた『フルメタル・ジャケット』。同じキューブリック作品だが、キューブリックのキャリア、映像演出、作品構成…様々な要素はまったく異なる3作だ。
しかし、一貫して描かれているものもある。それが「狂気」だ。これは「キューブリックの戦争映画」という枠組みにとらわれずキューブリックの根幹にある題材だが、戦争という「狂気」にまみれた舞台で描くとき、キューブリックの「狂気」を描く視点は更に多彩になると感じた。

キューブリックの戦争映画において、『恐怖と欲望』では新米兵士の精神崩壊を描くことで戦場での緊張感や非日常の過酷さを表現した。『突撃』では死へ追いやる命令や、処刑へ追いやる側・処刑される側を作る戦争の仕組みがクローズアップされる。いずれも戦争は既に始まっていて、その中で「狂気」が顕在化する部分を抽出している。
同じ監督が手掛けた戦争映画だが、語られる「狂気」が全く異なるところに、多彩、という言葉が浮かぶ。

『フルメタル・ジャケット』は前2作品とさらに大きく異なり、戦争が始まる前の「狂気」を語っている。普通の若者が各々のヘアスタイルをバリカンで刈り上げ、「狂気」といえるハートマン軍曹のシゴきがあり、「Born to Kill」のヘルメットをかぶる。過酷で、少しユーモラスな訓練シーンはとてもキャッチ―だが、普通の若者が兵士となるまでの過程は冷静に見ると「狂気」でしかない。落ちこぼれのレナードが精神に異常をきたし自殺するが、そのまま生き残って戦場で狂うか、今この場で狂うかの違いだけであることを知らしめるかのような場面だった。行き着く先は同じ「狂気」という結末。それを強烈に印象付ける前半部分だった。
『ロリータ』や『時計仕掛けのオレンジ』も本作の前半部分同様、エスカレートする狂気が描かれていたが、戦争を舞台にした本作では、また一味違ったエスカレートを見せる。そこにもまた、キューブリックの「狂気」の多彩さが垣間見えた。

後半のベトナムを舞台にした実際の戦場では、狂った倫理観を様々な登場人物を通して描く。緊張感あるシーンが続くが、兵士のアドレナリンを表現するかのような挿入歌の入れ方や登場人物の個性の付け方がユーモラスを感じさせる。登場人物たちの見ている世界が「狂ったもの」だと映させない演出のようにも感じて、ユーモアの裏にある暗さの映し方が巧い。

ラストのミッキーマウスマーチはその集大成だった。兵士のシルエットとアップテンポなミッキーマウスマーチ。普通の若者であったはずの彼らと、狂ってしまった彼らをこのワンカットで描いてしまうところに、キューブリックの凄みがあると感じた。

〇カメラワークとか
・一点透視、シンメトリーチックの画面の無機質さとハートマン軍曹の熱量のコントラストがすごかった。今までのキューブリック作品にもない演出だったような。

・前作『シャイニング』では多用していた「キューブリックステア」は本作では控えめ。レナードが狂ってからの視線くらい。

・戦闘シーンの見やすさはカメラワークの巧さがあるからだろうな。一方でスナイパーに撃たれるシーンはイマジナリーラインをめちゃくちゃにしていて、混乱っぷりが伝わるカメラワークだった。

〇その他
・「ステア」を語るシーンがあった。ジョーカーが報道部にいる時の先輩兵士が、戦場を経験している目を語る。
「1000ミリ望遠の目つきさ 長くクソ地獄にハマったときの マジに あの世まで見通す目さ」
戦争での心理的障害の一つとして「1000ヤードの凝視」があるけれど、「キューブリックステア」の意図にも近い気がした。

・カウボーイが撃たれて死ぬまでの演技が素晴らしかった。目に力が入り続けていて、いつ死んだかがわかりづらい。傷口を見せず、露骨に「死んだ」っていう演技もせずに、動かなくなったことで死がわかる。カウボーイの状態の不確かさが画面に緊張感を作ってた。

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4.5 ブラックユーモアの完璧主義者

2026年3月16日
PCから投稿

何度見ても震えてしまう大好きな作品だ。

むかし、なにかで読んだ。
フルメタルジャケット。映画では「完全被甲弾」と訳される。
以前の戦争では鉛むき出しの弾が使用されていたが、
国際条約により戦争ではフルメタルジャケットを使用すること
と決められた。
なぜか?
フルメタルジャケットの性能が高すぎるためだ。
戦争肯定の国際条約なのか?いや、真逆だ。
鉛むき出しの弾は脆いため、身体に当たったあと
体内で蛇行したり、骨に当たって破裂したり、
ほとんど体内に留まる。つまり致死率が高い。
フルメタルジャケットは性能が高すぎるため
ほとんど身体を貫通する。
つまり死なないのだ。
その代わり性能が高いが故、機関銃などの性能が格段に上がった。
戦争を否定しながら、死なない弾を使い、性能の高い銃を使う。
全く変な条約だ。

このタイトルはキューブリックのブラックユーモアに
他ならない。と、思う。
「そんなアホな取り決めをせず、戦争をやめる取り決めをしろ」ってね。

むかし、なにかで読んだ。
WW2後のアメリカの調査ではアメリカの新兵のほとんどは、
敵を殺してないどころか発砲すらしてなかったそうだ。
そこで生まれたのがこの映画の新兵訓練。
以前のように戦争に向かう意識を高めるような訓練ではなく、
ただの殺戮者を育てるための訓練に変化した。
そのためには、新兵の人格を虫けら以下と意識づけし、
敵兵が現れたら反射的に発砲するのみ。という訓練だ。

結果として、最強の兵士(微笑みデブ)と
海兵隊の魂(ハートマン)は、戦争ではない場所で
命を落とす。
キューブリックのブラックユーモアに
他ならない。と、思う。

映画終盤、恐怖の狙撃手に仲間を次々に殺される。
海兵隊の信念は”仲間を決して見捨てない”。
その信念を逆手にとり、あえて急所を外す最強狙撃手。
助けに来た仲間の”足”を狙う狙撃手。
「撤退するぞ」と指示を出したカウボーイは、
”信念”を重視し命令を無視した仲間のために進軍し、
命を落とす。
しかも、最強の敵と思われた狙撃手は小柄な女の子…。

キューブリックのブラックユーモアに
他ならない。と、思う。

ミッキーマウスマーチを歌う兵士たち。
戦場なんてディズニーランドみたいなもの。
キューブリックのブラックユーモアに
他ならない。と、思う。

そんなアホな”戦争”なんてものは
”黒く塗ってしまえ!”というエンドロール。
キューブリックのブラックユーモアに
他ならない。と、思う。

ジョーカーがなぜ最後に少女(狙撃手)を撃ったのか?
なぜ兵士たちはミッキーマウスマーチを歌ったのか?
に、関してはまた別の機会で。

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1.5 戦争の愚かしさを描いた作品なのでしょうか

2026年2月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

何を伝えたい映画なのか、正直、私には理解できませんでした。リアルタイムでこの映画を鑑賞していなく、ベトナム戦争というものにも詳しくないためなのでしょうが、名作と言われている理由はわからずじまいとなってしまいました。

戦争の愚かしさは、兵士育成の時点から始まっている、ということがメッセージだったのでしょうか。

凄惨な戦闘シーンは、本当の戦場にいたらこうなのかと思うリアルさが伝わってきましたが、何を最も言いたい作品なのかはうまくつかめず、観賞後の後味の悪さだけが残りました。

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3.5 ケチなんて付けたくないんだけど…

2026年1月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

知的

難しい

ネタバレ! クリックして本文を読む

 スタンリー・キューブリック監督が若い海兵隊員の視点を通してベトナム戦争を描いた異色作。

 公開当時、衝撃的な内容のため(と言うべきか、にも関わらずと言うべきか)、さまざまなパロディや派生作品をも生んだ本作。
「惜しい」とか「残念」などとケチを付けるレベルではなく、よく出来たいい映画なんだが比較したくなる対象が多いことが難点。

 ひとつはベトナム戦争を描いた映画としての対象。

 戦争の狂気を圧倒的映像で視覚化した『地獄の黙示録』(1979)に勝ることは鬼才キューブリックでもやはり至難。
 わずか1ヶ月半ほどでロンドンに再現したベトナム市街戦のセットも素晴らしいが、ロケを敢行した同作の迫力には及ばない。
 戦死したカウボーイに代わって主導権を握ったアニマルマザーが狙撃兵の少女の処刑をジョーカーに押し付ける場面も、ウィラード太尉が罪のない重傷の少女を躊躇なく射ち殺すシーンと比べたくなる。

 もうひとつはキューブリック監督自身の他作品との比較。

『2001年宇宙の旅』(1968)や『シャイニング』(1980)で描かれた、あまりにも現実とかけ離れた世界観と較べると、戦争ですら普通の光景に見えてしまうのは自分だけ?
『時計仕掛けのオレンジ』(1971)や『シャイニング』で描かれた残酷でありながら芸術的ともいえる暴力描写を、本作の戦争の狂気は果たして超えられただろうか。

 本作の上映時間は2時間弱と、キューブリック作品にしては短めの印象。本来は三部構成の原作のうち二部までしか映画化していないらしい。
 なぜ第三部を割愛したか知りたい気もするが、どうせなら第一部の訓練キャンプの場面に特化して、閉ざされた空間内での狂気や混乱にもっとスポットを当ててもよかったのではとも思う。

 鬼教官ハートマン軍曹は新兵を口汚く罵り、本人だけでなく家族や故郷すら貶め人間性を奪おうとする。
 戦争とは、人間性を喪失しない限り出来ない「作業」なのだと再確認させられる作品。

 戦火の薄闇のなか、次の標的(ベトナム人)を屠るために「夢の国」のテーマソングである『ミッキーマウス』を歌いながら行進するラストシーンもまた、寓意的で黙示録的。

 NHK-BSにて初視聴。

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