スティーヴン・キング原作、ブライアン・デ・パルマ監督によるモダン・ホラー映画(76年の公開当時、わが国では、〈オカルト映画〉でした)にして、青春映画の傑作「キャリー」。もの凄く好きな映画で、今でも何度も観てしまいます。どれくらい好きでどれくらい何度も観たかを説明すると、あのヘレン・ケラー物語の「奇跡の人」を観ていても、サリヴァン先生とケラーのことを、「キャリー」の中のシシー・スペイセクとハイパー・ローリー扮する親子にしか見えない、というくらい(って、わかりにくいかな?)好きで、何度も観ています。いっそのこと、菅野美穂と大竹しのぶ主演で〈日本版キャリー〉を舞台化してほしいもんです。で、それだけ好きで、何度も観ている映画にも関わらず、長い間、気がつかないことがありました。劇中、キャリーを〈酷い目〉にあわせるべく、ジョン・トラヴォルタたちが夜の養豚場に忍び込むシーンがあるのですが、この養豚場の壁のペイントに見覚えが。そうです。このヘンな豚の絵こそ、ニューオーリンズR&Bの尽きぬ魅力をロック/ポップス・ファンに知らしめたドクター・ジョン、72年の名盤『Gumbo』のジャケの場所ではないか! という発見をしたのも、実は大分前のことなのですが、その時の喜びをこうして反芻できて幸せです。じゃあ、また観るかな。
bounce (C)安田 謙一
タワーレコード(2003年07月号掲載 (P144))