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――1st、2nd EPも聴かせていただいたんですが、『セーラ☆ムン太郎』の楽曲は前2作よりも外の世界を向いているように感じました。ご自分の中での変化ってありましたか。
マハラージャン:前の2作は、作ることで自分を癒していたというか、自分のセラピー的なところもあったんです(笑)。今作『セーラ☆ムン太郎』に関しては、全体的に社会性のある曲に仕上がりました。
――その象徴が、タイトル曲の“セーラ☆ムン太郎”?
マハラージャン:そうです。そんなことを言うとバカにされるかもしれないですけど……。
――そんなことないですよ。ヒーローものを何かのメタファーとして描いている感じは受けました。
マハラージャン:ああ、そうなんです。良かったです(笑)。基本的には正義の話で。入口は“セーラ☆ムン太郎”というものでキャッチ―さから入っていって欲しいんですけど、あとはみなさんで好きに感じてほしいと思います。
――いろんな解釈があってよい?
マハラージャン:そもそも正義の話、というのもありつつ、誰かと誰かの対立によって苦しんでいる人たちがいるっていう中で、本当はその人たちが一番強いかもしれないし、地道にやってるよなっていうことだったり。「今はこんなに苦しいけど、信じて頑張ろうよ」みたいな気持ちではあるんですけど、ちゃんと読み解かないとそこまでいかないかもしれないですね(笑)。
――MVも作られていますが、これを見ると笑えるけど、ちゃんとそういうメッセージも込められているわけですね。
マハラージャン:自分の中ではだいぶメッセージ性もあるつもりなんですけど、たぶん初見で見たら普通に面白い感じなのかなって。でもそれが一番大事だと思います。むずかしすぎてもつまらないし、バカすぎても何も残らないし。「バカなんだけど、奥の方に何かある」って感じるぐらいが良い塩梅じゃないかなって思います。ちょっと真面目な話をしちゃいましたけど。
――ジャケットとMVに登場する方はどなたなんでしょうか。
マハラージャン:みささんという方で、まさに本人の努力によって鍛えられた体をされています。『セーラ☆ムン太郎』を作るにあたってビジュアルを考えていたときに、女性のムキムキな方がいいんじゃないかって思ったんです。みささんは、本当に肉体美が素晴らしくて。あそこまで鍛えるのって、精神的にも相当強くないとできないことだと思いますし、あらゆる意味ですごいなと思いました。
――そこが作品のメッセージと繋がっているんですね。
マハラージャン:そうですね。時代的にも、女性の社会的な立場をより向上させようという動きもあると思うんですけど、自分的にはそういう意味もあるつもりで。強い女性の姿を今までの日本から俯瞰して見るというか、そういうつもりではあります。
――前作までと比べると、ご自分の内省的な部分を曲にするんじゃなくて、そういう部分が変わった?
マハラージャン:やっぱり、去年からコロナのことがあって、随分社会に目が向くようになって。内省的といえば内省的なんですよ、これも。自分が社会に向き合ったんです。
――じゃあ、アティチュードは変わっていない?
マハラージャン:変わってないですね、はい。
――プロフィールに「社会⼈になってから感じた強烈な劣等感や、耐えがたい苦悩、屈辱に苦しんだ結果、スパイス×ダンスミュージックという現在のスタイルに辿り着く」とありますが、どういうことですか。
マハラージャン:たぶん、もともと自分が良いものを持っていたとしても、環境として変なツボに入ってしまうと、変な自分なまま抜け出せなかったりすると思うんです。僕がそうだったので。会社の中でうまくいかなくなったというか、それはやや記憶に蓋をするように覚えてないんですけど。
――でも、コロナでいろいろ大変な時期に、音楽に専念するって相当覚悟がいりませんでしたか?
マハラージャン:それは覚悟がいりました。でもそれ自体が自分の中ですごく大きなことだったので。“空ノムコウ”にはその心境が入っていますね。「手放していけばいい」っていう歌詞なんですけど、新しいものを得るために手放したというものがすごく大きく自分の中にあったので。実体験したものの方が強い曲ができると思ってます。
――ご自分の実体験を、どうやってサウンドと結びつけていくんですか。
マハラージャン:本当に、ガチャガチャ組み合わせている感じです。やりたいサウンドがある中で、「じゃあこれは何を表していることなのか」ということをすごく考えて、自分の中にあるこの感情はきっとこの曲を呼んでいるんじゃないかなっていうところで繋がっている感じです。
OTOTOYライター講座出身のフリーライター。音楽の他、グルメ 、様々なカルチャーの体験レポート等。忘れらんねえよ『週刊青春』特製本取材・構成等を担当。著書『I LIKE YOU 忌野清志郎』(河出書房新社)発売中。同じ誕生日はアジャ・コングと内山君。
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