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⇱ ユッコ・ミラーが10周年アルバム『Bloomin’』で伝える“今”を咲き続けていくための秘訣とは? - OTOTOY


2026/02/20 19:00

譜面が残ってなくても、完璧に覚えていた

──ソプラノサックスでもう1曲、“AKUJYO”には太鼓パフォーマーの一彩さんが参加されています。一彩さんはどういう経緯で参加したのでしょうか。

ユッコ:最初は、一彩さんのお父さんで世界的な和太鼓奏者のヒダノ修一さんとイベントに出たときに一彩さんも一緒に演奏したのがきっかけで知り合いました。それから5年以上会ってなかったんですけど、私はポケモンカードゲーム(以下・ポケカ)を趣味でやっていて。「誰かポケカを一緒にやろうよ」みたいな感じでインスタに写真を載せたんですよ。そうしたら一彩さんが久しぶりにDM で「久しぶりです、ユッコさん。僕もポケカやってるんでやりませんか?」って連絡をくれて。それで「やりましょう!」ってなって、池袋のポケモンセンターで一緒にポケカをやって遊んだんです。じつはバンドの中村さんも、平手(裕紀)さんもポケカ仲間なので、「じゃあちょっとライブやろうよ」みたいな感じになったんです(笑)。

──ポケカから「ライブやろうよ」までの間の話を教えてもらえますか(笑)。

ユッコ:一彩さんは和太鼓奏者でジャズと世界が違うじゃないですか。だから一緒にライブっていうあんまり思ってなかったんですけど、でもなんかやったら面白そうだし、とりあえずやってみようかみたいな感じで、去年の 2月に初めてそのポケカ仲間でライブをやったんですけど、やっぱりポケカ仲間だからポケモンの曲をいっぱいやろうって言って(笑)。ポケモンの曲をジャズにアレンジしてライブをやったんです。でも太鼓は日本の伝統楽器なので、一緒にやるっていうのはすごい意味のあることだなと思って。「ユッコ・ミラーJAPAN PROJECT」って名前を付けて、この前もライブをやりました(2026年1月7日 東京JZ Brat)。

──その流れでアルバムに一彩さんが参加しているんですね。“AKUJYO”は、“かごめ かごめ”みたいな童謡にも似た印象のメロディですが、太鼓を入れるという前提で こういう曲をイメージしたんですか。

ユッコ:太鼓を入れる曲を作ろうと思って作ったっていうのもありますし、日本のこういうスケール、旋律がすごく好きで。 和を用いた曲を作りたいなっていうのは昔から思っていたので、それが実現した感じです。

──ちなみにタイトルの“AKUJYO”とは?

ユッコ:これは、今までの自分の恋愛を振り返ると、私って本当に悪女だなと思ったんですよ(笑)。

──(笑)。そんな言い切ってしまうぐらいの悪女なんですか?

ユッコ:はい、本当に悪女なんですよ。言えないぐらい(笑)。この曲は、江戸時代とかのすごく着飾った美しい女性が悪女だったらすごく魅力的だなと思って、そういうイメージもあってつけました。

──H ZETTRIOさんとのコラボアルバムでも、ユッコさんの曲タイトルは意味深なもののが多かったですよね。

ユッコ:そのとき、そのときの日常を曲にすることが多いので、わりと自分がやってきた行動がそのまま曲になってるって感じですね。曲を聴いて想像を膨らませてください(笑)。

── 一彩さんが参加した曲がもう1曲“3-3-7”の読みは“さんさんなな”で合ってますか?

ユッコ:合ってます。三三七拍子を曲にしたいなっていうのはずっと思ってたんですけど、三三七拍子ってじつは三拍子、三拍子、七拍子ってわけじゃないんですよ。

──たしかに、そうですね。

ユッコ:なので実際にちゃんと三拍子、三拍子、七拍子になってる曲を作りたいと思ったのが、もともとの始まりです。この曲も中村さんがアレンジしてくれたんですけど、レコーディングして、実際に自分で聴いてみるとすごく元気が出るんですよ。聴くと元気が出てきて、嫌なこととかも吹っ飛んじゃうぐらい、「よっしゃー!頑張るぞ!」ってなれる感じの曲になったと思っています。そういうふうに聴いてもらえたらうれしいです。

──先ほど話に出た“My Prelude”は初めて作った曲ということですが、どうやってできた曲か覚えていますか?

ユッコ:その頃、音楽理論を勉強していて曲を初めて作ったんですけど、すごく時間をかけて作ったような気がするので、めちゃくちゃ覚えてるんですよ。メロディも鮮明に覚えているし、コードとかも全部覚えていて。譜面は残ってないんですけど、もう全部完璧に覚えてるから、もう1回それを思い出して作ったんです。

──初めて曲を作る上で、参考にした人や曲はあったんですか?

ユッコ:それは特になくて、その頃からイメージが降ってくるタイプだったんです。浮かんできたイメージに自分が勉強した音楽理論のコードをつけていく感じで作ったんですけど、出来上がったとき、もうめっちゃうれしくて。「これが私の初めての作品だ」と思って、何回もピアノで弾いたりとかしていたんで、覚えちゃってたっていう感じです。

──もともとピアノが先に習った楽器なんですよね。そのときに譜面も書けるようになったんですか?

ユッコ:ピアノは習わされていた感じであんまり好きじゃなかったので、高1で吹奏楽部に入ったときに、音楽理論を勉強し始めて譜面も書けるようになりました。高1のときから、「将来は絶対プロになりたい」と思っていたので、そのためにはジャズでアドリブができるようにならないといけないし、曲も作れるようにならないといけないから、その音楽理論を勉強しようと思ったんです。

──ジャズにおけるアドリブって、だいたいみなさん理論に基づいて演奏する感じなんですか?

ユッコ:理論がもとにあって自由にやってる感じですね。「和音っていうのはこういうものなんだ」っていうことがわかった上で演奏すると、わかってる状態であえて外すとかっていうのがわかるじゃないですか?あえてアウトしてるんだっていうことがわかった上で計算してアウトするのと、何にもわかってない状態でグチャッってやるのとでは全然音楽的にも変わってくるんです。(理論上)正しいことは分かった上でいろいろ作ったり、アバンギャルドにやったりとかしていくっていう感じです。“My Prelude”は、曲を全部並べてみて聴いてみたとき、私の原点となるものを一番最後に入れようって考えて最後に入れました。

──ボーカル曲が2曲入っていますが、これまでもジャズ・スタンダードの”FLY ME TO THE MOON”や、竹内まりやさんの“プラスティック・ラブ”のカバーで歌唱していますよね。今回、オリジナルのボーカル曲を入れようと思った理由を教えてもらえますか?

ユッコ:曲を作ったときに、その曲のイメージとしてメロディを吹くにあたって、サックスだと強すぎるなということがあるんです。アルト・サックスだとちょっと強すぎるから、なんかもうちょっとフワッとした感じでメロディがあったらいいなっていうことから歌ったのが“Anemone”です。“Hair Style”はもともとあった曲なんですよ。2ndアルバムにサックスでメロディを吹いて入れていたんですけど、自分の中でも気に入ってる曲だったので、今度は歌って入れてみたいなと思ったんです。

この記事の筆者
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岡本 貴之

OTOTOYライター講座出身のフリーライター。音楽の他、グルメ 、様々なカルチャーの体験レポート等。忘れらんねえよ『週刊青春』特製本取材・構成等を担当。著書『I LIKE YOU 忌野清志郎』(河出書房新社)発売中。同じ誕生日はアジャ・コングと内山君。

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菅家 拓真 (Kanke Takuma)

レコーディングを少し齧りました。 脳みそみたいな音楽が好きです

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