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⇱ REVIEWS : 047 洋楽ロック(2022年7月)──宮谷行美 - OTOTOY


2022/07/15 17:00

REVIEWS : 047 洋楽ロック(2022年7月)──宮谷行美

"REVIEWS"は「ココに来ればなにかしらおもしろい新譜に出会える」をモットーに、さまざまな書き手がここ数ヶ月の新譜からエッセンシャルな9枚を選びレヴューする本コーナー。今回はReal Soundなどの音楽メディアでも活躍中のライター、宮谷行美が洋楽ロックのいま聴くべき作品9枚をレヴュー。


OTOTOY REVIEWS 047
『洋楽ロック(2022年7月)』
文 : 宮谷行美

Asian Glow 『Stalled Flutes, means』

Pitchfofkで8.0の高評価を獲得したParannoulと共にアジアン・シューゲイズを盛り上げるのが、同じく韓国・ソウルを拠点とするAsian Glow。シューゲイザー・バンド、FOGのVo&Gtであるシン・キョンウォンの別プロジェクトであり、本作ではエモーショナルなロック・サウンドを基軸に、ローファイ感やベッドルーム・ポップの要素を巧みに融合したハイクオリティな楽曲が揃う。シンセやストリングスといった多彩な音色や細やかなリズムワークを的確な判断で組み込み、躍動感とミニマルさの両方をしっかりと押さえながら大胆に展開をつけていくという手腕はお見事。自身のポテンシャルの高さを見せつけると同時に、限りない可能性を示唆する1枚に。

Animal Ghosts 『Wallow』

USポートランドのベッドルーム・プロジェクトの最新作。正統派シューゲイザーの遺伝子を受け継ぎ、ドリーミーなサウンドスケープを得意とする彼は、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの名作『Loveless』と親和性の高いフレーズや音色を随所に散りばめながらも、本作ではファジーで重々しいギターやリズムを強調したドラマチックな展開をたっぷりと取り入れ、スワーヴドライヴァーやリンゴ・デススターを思わせるオルタナティヴやグランジ、エモに傾倒したアグレッシヴなサウンド・スタイルを見せつける。然るべきところへ届けることができれば、シューゲイズ・ファンのみならず、幅広いロックファンに愛される作品になるのではないかと期待している。

OddZoo 『Overdriven Monsoon』

フランス・シンセ・ウェイヴの開拓者と評されるPERTURBATORやアメリカのノイズ・ロック・バンド、HEALTHとも関係の深い、フランスのOddZoo。二者との親和性も高く、ヘヴィー・メタル、ハード・ロック、ダーク・ウェイヴ、ゴシックといった多ジャンルを内包した楽曲の数々は、重苦しくも開放感があり、ディペッシュ・モードやニュー・オーダーに通ずるポップ性が見えるのも魅力。耳に叩き込まれる重低音や神経に響くエレクトロ・ノイズと、その暴力的なサウンドに圧倒されるも、じっくりと聴いているとバイオレンスな中に甘美な美しさが浮かび上がってくるのがたまらない。叙情的な歌メロとスポークンの絶妙な組み合わせも聴きどころのひとつ。

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宮谷 行美 (Pikumin)

音楽メディアにてライター/インタビュアーとして経験を重ね、現在はフリーランスで執筆活動を行う。坂本龍一『2020S』オフィシャル・ライターを務めたほか、書籍『シューゲイザー・ディスクガイドrevised edition』への寄稿、Real Sound、日刊サイゾーなどのWebメディアでの執筆、海外アーティストの国内盤CD解説などを担当。

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河村 祐介

1981年生まれ。ビヨンセとは1日違いで時差的に多分ほぼ一緒。渋谷区幡ヶ谷出身。2004年~2009年『remix』編集部で丁稚から編集者へ、LIQUIDROOM勤務やのらりくらりとふらふらとフリーを経て、2013年よりOTOTOY編集部所属、現在編集長。テクノあたりとダブステップあたり、ルーツ・レゲエ〜ダブあたり(そのあたりでライナーノーツなど多数)、その他では酒あたりと本あたり。

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