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"REVIEWS"は「ココに来ればなにかしらおもしろい新譜に出会える」をモットーに、さまざまな書き手がここ3ヶ月の新譜からエッセンシャルな9枚を選びレヴューする本コーナー。今回から新たな書き手に加わってもらいます。驚愕の更新頻度を誇る自身のnoteを中心に、その他、各音楽メディアなどで、ヒップホップ〜R&Bについて執筆中のアボかど。今回はもちろんヒップホップの、ここ3ヶ月のエッセンシャルな新譜を9枚レヴューしてもらいました。
OTOTOY REVIEWS 085
『ヒップホップ(2024年8月)』
文 : アボかど
クラウド・ラップのシーンから2010年代前半に登場したシアトルのラッパーのAJ・スエード。近年はブーンバップに接近して充実作を多く残しているが、同郷のプロデューサーのウルフトーンとタッグを組んだ本作もその路線の新たな快作だ。「Rent’s Dew」のようにブーンバップ内トレンドのドラムレスに挑んだ曲もあるが、全体を覆う曇り空ムードのサイケ感覚はクラウド・ラップ出身者らしい味。ドリーミーなネタに808を絡めたクラウド・ラップ回帰的な曲も収録されている。ハイライトは不穏でローファイなウータン・クラン系のビートにザ・マヤ・エクスペリエンスの歌をフィーチャーした「Prove Me Wrong」。
ドレッティ・フランクスもクラウド・ラップから異なる方向性に移行したラッパーだが、こちらはブーンバップではなくDJスクリューなど地元・テキサスの1990年代作品を彷彿とさせる南部流Gファンク。ブリブリのベースに妖しいエレピ、高音シンセ……といったコテコテの音使いが生むメロウネス&ファンクネスは、かの地の伝統に忠実なディープな仕上がりながらブギーと隣接するメロウなポップミュージックとしての強度も獲得している。水滴のような音をスネアとして使った「VQ Drop」、スペイシーなシンセをループした「South West Connection 2」などには単純なスロウバック以外の魅力もあり。
ヒップホップとして取り上げていい作品なのか悩むところだが……。本作はヒップホップのビートとジャズの境界線を泳ぐNYのマルチミュージシャン、ジョシュア・キニーによるプロジェクトのジャークによるアルバム。ゲストミュージシャンを迎えた「Dried Flower」と「4Sal」はジャズ寄りの曲だが、それ以外は打ち込みドラムの上でベースやサックスをプレイするインタールード的な「Mood Swings I」、それを自ら弾き直してビート化したような「Space Case」などヒップホップ色を強く感じることができる。基本にインストだが、「I Don’t Question You」ではラッパーのライアン・Jが客演。
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