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"REVIEWS"は「ココに来ればなにかしらおもしろい新譜に出会える」をモットーに、さまざまな書き手がここ3ヶ月の新譜からエッセンシャルな9枚を選びレヴューする本コーナー。自身のnoteを中心に、その他、各音楽メディアなどでヒップホップ〜R&Bについて執筆中、本年はLil'Yukichiとの共監修本『サウス・ヒップホップ・ディスクガイド トラップ・ミュージックを生んだ南部のラップ史』も刊行したアボかど。今回はもちろんヒップホップの、ここ3ヶ月のエッセンシャルな新譜を9枚レヴューしてもらいました。
OTOTOY REVIEWS 110
『ヒップホップ(2025年10月)』
文 : アボかど
シングル「BILLIE EILISH.」のヒットで知られるフィリー出身のアルマーニ・ホワイト。共演経験もあるデンゼル・カリーと通じるアグレッシヴなスタイルを基本にしつつ、時にはリル・ベイビーのように力を抜いたり、トリッピー・レッドのようにエモーショナルに歌ったりもする柔軟な実力者だ。本作はビート選びも先鋭的で、硬質なトラップを軸にY2Kヒップホップやロック風味なども導入。ややオルタナティヴなサウンドだが、ヒップホップ文脈の外に出るようなものではない絶妙なバランスで聴かせる。ラストを飾るゴスペル・トラップ「PHANTM.」での、キレキレのラップの後に客演のT・ペインに委ねる瞬間は鳥肌ものだ。
2000年代後半から2010年代前半、いわゆる「ブログ・エラ」を代表するデュオの一組であるザ・クール・キッズ。古巣のフールズ・ゴールドからのリリースとなる本作は、初期に挑んでいたような1980年代ヒップホップ・リバイバル的なスタイルも交えた彼ららしさが詰まった作品だ。しかし、それはメインの路線ではなく、そのほかにもジャジー・ヒップホップ気味のメロウなブーンバップ、マイアミベース、Gファンクなど多彩なサウンドが並ぶ。ただ、明らかにトレンドを汲んだようなものはなく、雑多なようで微妙に捻くれたセンスでまとまっているのが面白さだ。二人のゆるいラップも変わらない良さで、どんなビートも彼ら色に染め上げている。
LAのドロー2000は、2010年前後のクラウド・ラップを現代的なセンスで再解釈して聴かせるラッパー兼プロデューサー。本作でのダウナーで気怠いムードやノイジーな質感はまさに初期エイサップ・ロッキー作品などで聴けたようなサウンドの直系のフォロワーで、「rivals」には当時のそのシーンの代表格であるスカダ・Bを客演に迎えて正統性をアピールしている。しかし、そこに乗るオートチューンまみれの歌ラップは当時とは明らかに異なるスタイル。曲によってはジャークやプラグといった現行先端スタイルの要素も取り入れ、時にはラップのピッチを高く加工してハイパーポップ以降の感触を生み出している。つまり、一言で言うと変。
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