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"REVIEWS"は「ココに来ればなにかしらおもしろい新譜に出会える」をモットーに、さまざまな書き手がここ数ヶ月の新譜からエッセンシャルな9枚を選びレヴューする本コーナー。今回はReal Soundなどの音楽メディアでも活躍中のライター、宮谷行美が洋楽を中心にオルタナティヴなロック+αのいま聴くべき作品9枚をレヴュー。
OTOTOY REVIEWS 073
『ロック(2024年1月)』
文 : 宮谷行美
元祖シューゲイズ~ドリームポップの系譜を受け継いだサウンド・ワークが高く評価された前作『Waves』を経て、待望のデビュー・アルバムを発表したアイルランド出身の4人組。かの有名な〈ロックフィールド・スタジオ〉で収録し、ジザメリやスマパンなどを手がけた巨匠アラン・モウルダーがミックスを担当するという、本気の布陣で作り上げた本作は、ドリーミーな質感を大幅に抑え、ボトムを重めに構えたヘヴィーなバンド・サウンドを全面に押し出した楽曲が揃う。ミステリアスなヴォーカルとの美しいコントラストや、妖しげなギターアルペジオなど随所に漂うゴス感もまた魅力。90'sオルタナ/グランジの魅惑を現代で再現するとともに、UKロックシーンに真っ向から挑む、今年一見逃せない超大作だ。
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9月リリースの作品ですが先述のNewDadと合わせておすすめしたいのが本作。ロンドンを拠点に活動する4人組バンドによる、こちらもデビュー・アルバム。王道を行く耽美系シューゲイズ /ドリームポップで、まろやかな浮遊感とバンドの疾走感が心地良い11曲を収録。紅一点のジェナ・カイルのハスキーなヴォーカルは甘みと深みがあり、煌びやかなギター・アルペジオと溶け合いすぎず、2ラインでメロディを形成していくのが実に綺麗。優しい風合いや穏やかなサウンドスケープが印象的ななかで、セクシャル・ハラスメントやアルコール依存症についてなど社会的メッセージも綴られている。空想の快楽を与えるのではなく、憂鬱や現実と向き合い受容することを促そうとするそのマインドも高く評価したい。
BANDCAMP
コンスタントに作品をリリースし続けているTy Segallの通算15枚目となる本作は、アコースティックな楽曲が目立った前作に比べ、USガレージの雄としての風格を存分に露わにしたアグレッシヴな作品に。サイケ、フォーク、ハードロック、ジャズなどを凝縮した楽曲たちからは、30半ばになってほど良くエイジングされた感性とサウンドの重厚感、そしてまだまだ輝く若さと前衛的なマインドが滲み出る。四方から歌が重なり、歪んだギターが幾度と鳴き叫ぶ。特に後半にかけては野心と遊びを遠慮なく投じた楽曲が並び、時折変な音まで飛び交う。そこにはデジタルだけでは生み出せない生々しさと熱が終始溢れていて、まさに彼が求め続ける“自由”を象徴しているようだ。
BANDCAMP
音楽メディアにてライター/インタビュアーとして経験を重ね、現在はフリーランスで執筆活動を行う。坂本龍一『2020S』オフィシャル・ライターを務めたほか、書籍『シューゲイザー・ディスクガイドrevised edition』への寄稿、Real Sound、日刊サイゾーなどのWebメディアでの執筆、海外アーティストの国内盤CD解説などを担当。
1981年生まれ。ビヨンセとは1日違いで時差的に多分ほぼ一緒。渋谷区幡ヶ谷出身。2004年~2009年『remix』編集部で丁稚から編集者へ、LIQUIDROOM勤務やのらりくらりとふらふらとフリーを経て、2013年よりOTOTOY編集部所属、現在編集長。テクノあたりとダブステップあたり、ルーツ・レゲエ〜ダブあたり(そのあたりでライナーノーツなど多数)、その他では酒あたりと本あたり。
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