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LONGMANがセカンド・フル・アルバムをリリース。そのタイトルは『10/4』。リリース日でもあるこの日を人はどう過ごしているのだろうか。ライヴをしたり、大きな勝負に挑んだり。はたまた会社を辞めたり、失恋したり。今作にはそういった日を過ごした12人分の記憶が描かれている。つまり全12曲の収録曲それぞれに主人公が存在し、各々の10月4日を記録した日記のようなコンセプト・アルバムというわけだ。また「ライヴに繋がる1枚にしたい」という絶対的な思いから、変わらずポップパンクをベースにしつつも、王道J-POPの要素を新たに取り入れながらサウンドメイクをしていったという今作。ライヴハウスをひっくり返すようなパワフルなサウンド面を中心に、収録曲それぞれのストーリーについても語ってもらった。
12人の「10/4」を描いたコンセプト・アルバム
愛媛出身のスリーピースパンクバンド、LONGMANが約3年半振りとなるメジャー・セカンド・アルバム『10/4』をリリース。10-FEETやSUM41といったパンク・ロック・バンドに力を貰ってきた彼らが、今作では「LONGMANらしさ」をより深めるべく、大きな一歩を踏み出した。楽曲ごとに主人公を見立てて、生活も性格も異なる各人が過ごす「10/4」という1日の風景を描くというアイデアはもちろん、ツインヴォーカルであることを活かしたメロディや音作りに関しても、これまでとは一線を画す仕上がりになっている。彼らのターニングポイントに成りうるこの重要作について、メンバー全員に話を訊いた。
取材・文:峯岸利恵
──前作から約3年半振りとなるアルバム・リリースですが、その間はタイアップ作品なども含め、かなり精力的に活動されていましたよね。振り返ってみていかがですか?
ひらい(Vo/Gt):忙しかったし、楽しかったですね。身の引き締まる場面がずっとあったという印象があります。タイアップにあたってのプレッシャーもありましたが、光栄であり、充実した期間でした。
さわ(Vo/Ba):"spiral"(アニメ『無職転生II ~異世界行ったら本気だす~』オープニングテーマ)の制作中なんて、移動中の車内で曲作りしてたもんね。頑張ってたよね。
ほりほり(Dr/Cho):俺はその間、後ろで寝てたな……。起きたら目的地にも着いてるし、曲も出来てたっていう。
全員:(笑)。
──前作『This is Youth』のインタヴューの際には、自分たちが好きな曲を詰め込んだというお話をされていましたが、今作は具体的なコンセプトを持った作品になっていますよね。そこに至った経緯を教えて下さい。
ひらい:今作については、いままでとは違うことをしたいという気持ちが大きかったんです。その上でまずはコンセプトを決めることからはじめました。色々な案を出していくなかで風景について描くものにしようとか、架空のバンドのセットリストを作ってみるとかあったんですが、そのなかで、さわが出してくれた「色んな人の色んな日常を描いていこう」という案に満場一致で決まりました。僕としても、架空の人物を主人公とすることで、照れもなく、自由度の高い作詞に挑戦できたので、おもしろかったし、良い経験になりました。
──LONGMANは、変わらない格好良さに憧れているということもあり、これまで培ってきた自分たちらしさから外れることに少し躊躇しているのではないか? と思う節もあったのですが、その点についてはいかがですか。
ひらい:確かにそう思っていた時もありました。でもコロナ禍を経て意識が変わってきたように思います。これまで通りではいけないなという危機感も後押しして、意識が変わっていったのかもしれません。いまのタイミングで初期のLONGMANを復元するような音楽を作ることにもおもしろさを感じなかったですし、それであれば憧れから由来する核となる部分は変えずに、変えられるところはどんどん変えながら、唯一無二の音楽を作っていこうと思うようになりました。
さわ:私自身は変わることに対する躊躇はなかったですね。結局、自分たちで作り上げたものは自分たちらしいものになっていくという変な自信があったので、どんどんやっていこう! と思えていました。それにやっぱり新しいことをするってワクワクするんですよね。なので、今作の構想を練る段階から物凄く楽しかったです。
ほりほり:僕自身、シンプルなパンク・ロックはもちろん好きなんですけど、根っこにあるのは同期が多い曲だったりJ-POPだったりするんです。なので、今作の制作は楽しかったですね。同期を使うにあたっての難しさはあるんですけど、それを使うことによる可能性の広がりを実際に感じて、楽しみながら作れました。
ひらい:編曲に携わってくださった江口亮さんとNaoki Itaiさんがとてもいい感じに同期を入れてくださったので、すごく勉強になりましたね。
──同期を多用することへの抵抗はなかったんですか?
ひらい:コロナ禍もあって、メンバー同士でも集まれない期間もあったので、そこはもう勉強しながら順応していかなきゃなと思っていました。
さわ:今作にも収録されている"ライラ"では、1番2番でアレンジが違うんですよ。そういったさりげなく違いを持たせてみるというおもしろさは、今作にもかなり影響が出ています。
──"プロローグ"でもそのアレンジがなされていますよね。
ひらい:そうですね。昨今のJ-POPの影響もあって。いまのJ-POPって、1番と2番でガラリと変わるじゃないですか? そこにおもしろさを感じましたし、実際にやってみたら自分たちも楽しかったです。あと自分たちの武器である男女ツイン・ヴォーカルという特性も活かしやすかったですし。あとは“Chei”もツイン・ヴォーカルだからこそ成せる緩急が効いていると思います。
さわ:私も、ボカロ音楽でもJ-POPでもおもしろそうだなと思った曲はひらいさんに送ってました。
1998年生まれ。誕生日は徳川家康と一緒です。カルチャーメディア『DIGLE MAGAZINE』でライター・編集を担当し、2021年1月よりOTOTOYに入社しました。インディーからメジャーまで邦ロックばかり聴いています。
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