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ZAZEN BOYSが実に12年ぶりにアルバム「らんど」をリリースする。今作の音像は、前作『すとーりーず』で鳴らされていたシンセ主体のものから、ギターメインのオルタナティヴなロックへと回帰。その音の迫力は、ZAZEN BOYSというバンドにしか出せない、唯一無二のすさまじいものがある。レコーディング、ミックスダウンはフロントマンの向井秀徳自身の“地獄耳”にて行い、マスタリングは小泉由香(Orange)に委ねたとのこと。細部までこだわり抜いたそのサウンドは、より良い音質、より良い環境で聴いた時に、その素晴らしさが倍増するはずだ。OTOTOYでは向井秀徳に単独でインタヴューを実施。今作「らんど」はどのようにして生まれたのか、そしてZAZEN BOYSとしての12年について、軽妙な「THIS IS 向井秀徳」節でたっぷりと語ってもらった。
ZAZEN BOYS、12年ぶりの最新アルバム!
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
写真 :大橋祐希
——前作から今作までの間に12年かかったのは、なぜでしょうか?
向井:『ZAZEN BOYS 4』から『すとーりーず』も4年くらいかかってますね。4年おきでもスローペースですけども、その3倍かかっていますからね。ZAZEN BOYSとしての活動はライヴもずっとやっていたわけですよ。で、録音作品としてずっと世に出していないのはなぜかと言えば、作品を作るというのは、「お気軽・ハッピー・ラッキー・ウッキー・ワッキー」でできないんです、私の場合。録音して鳴らした瞬間の空気を封じ込めるという作業で、全て決定するわけですよ。これがお手軽じゃないんですよね。「いや、もう1回だ!」と何回も繰り返す。「今、時を刻んだ」と思うんだけども、「次を待とう、まだ俺を決定したくない」と、そういうことなんですよ。次の時間にいる俺を探し続けて12年経ったという話なんですよね。
ZAZEN BOYS、アルバム『すとーりーず』リリース時のインタヴュー
——なるほど。
向井:自分自身を刻み込む作業は非常にエネルギーを使うわけですよ。ウキラキではいかんのです。お気楽な第三者がいればいいんだけども、自分だけで、MATSURI STUDIOの地下室でやっているもんで。自分の中にそういう人間を作らないといけないわけだ。でもそれがそう簡単に「いいじゃん、ベイビーベイビー!」と言ってくれない。これが大変。それで最後はある種の諦めのような納得をして、落とし前を作ると。非常に諦めに近い決定ですよね。
——アルバム制作について考え始めたのは、いつ頃なんですか?
向井:2022年の末にナンバーガールの再活動が終了しまして、2023年はZAZEN BOYSに集中して、作品を世に出すという目標を無理やりもったんですよ。で、取りかかったわけです。2023年以内にリリースしますよと、ライヴの会場でも言い放ったんですけども、少しこぼれたというね。
——しっかりこぼれましたね(笑)。
向井:音源のリリースというやり方であれば、今は手間をかけずに届けられる状況なんですよね。ただ自分の中でお気軽にできないというのがありまして。録音物でいったら、データは膨大に増えていくわけですよ。例えばミックスバランスを色々とってね。「ベースのEQの周波数がちょっと上がってる」とか、他の人が聴いても全く同じに聴こえるだろうが、自分の中ではちょっと違う。結局自分も何が正しいのかわからなくなってくる。1年前の自分と去年の自分が全く同じじゃないかと。だったら去年出しとけばよかったと思うこともいっぱいある。まあ正解はないわけです。
——12年の間の大きなトピックとしては、2018年にMIYAさんがベーシストとして加入しましたね。
向井:MIYAが加入して、新しい風がビュウビュウと吹いたわけですね。そして自分の中でも、その風に乗っかって突っ走っていこうという盛り上がりがあったわけです。今回のアルバムにも収録されている“杉並の少年”と“黄泉の国”はそのときにレコーディングしたんです。新しい形としてZAZEN BOYSを表していこうと気持ちに勢いがありましたよ。そのZAZEN BOYSの風に乗っかって、ナンバーガールも再結成したんです。
NUMBER GIRL再結成時のインタヴュー
——そうだったんですか!
向井:いろんな風吹かしてやろうと思ったわけだ。だけどもコロナのパンデミックがあって、その風がビタっと止まってしまったんですね。それは大きかった。この2、3年、そこだけポッカリ穴が空いてしまいました。
——パンデミックの最中は、MATSURI STUDIOでセッションはしなかったんですか?
向井:しなかった。ライヴ活動が止まって自分の音楽をぶつける相手がいなくなってしまった。それならば、その期間を使って新たな曲を作ったりすればいいものの、自分はぶつける相手がいないとやる気が全く起きないとわかったわけです。自分の作ったものを人に聴いてもらうのが喜びであるんだなと思いましたね。じゃあなにをしていたかというと、Amazon Prime Videoをずっと観ていたんです。
——そうなんですね! Amazon Prime Videoでは何を見ていたんですか?
向井:東映の映画を全部観る。で足りなくなると、今度は松竹の映画を全部観る。まあ、やはりコロナ禍の空白は大きかったですよね。それでナンバーガールの再活動の期間も伸びまして。本当は中古マンション3LDKくらいを買ってやろうと思ったんですけどもね、叶わなかったですね。それが終わってZAZEN BOYSに集中できる、となったのが2023年ということです。
——ということは2018年にMIYAさんが加入した段階で、新しいアルバムを作るぞという気持ちはあったわけですね。
向井:あったね。2019年の頭に録音した時点で、まさに新体制の音をお客さんに伝えるはずだったんですけど、体裁を考えてしまいましてね。「枚方市民会館のロビーに飾ってもらえるようじゃなきゃだめだ」と。それで伸びてしまったなと。
パンク・バンドLimited Express (has gone?)のギター・ボーカル。BOROFESTAの主催者。ototoyの取締役。JUNK Lab Recordsのレーベル・オーナー。ライターやイベント・オーガナイズも多数。
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1990年生まれ。熊本出身の九州男児。2019年までイベント業界で働きながら、福岡親不孝通りにてJ-POP、アニソンのDJ活動を行う。その後上京し、OTOTOY編集部にてアイドル、アニメ関連を中心に担当。映画、深夜ラジオが好き。
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